培養細胞によるウイルス分離法


ウイルスの検査では、主に細胞培養を用いたウイルス分離法とPCR等による遺伝子解析が用いられます。感度が良く短時間で結果が得られるPCR法に比べると、ウイルス分離法は同定までに時間がかかる、新型ウイルスの同定ができない等の短所がありますが、病原体検査の“Gold Standard”といわれており、ウイルス株を確保できるという長所があります。


当研究センターでは、ウイルス分離法とPCR等遺伝子検査法の両者を用いて検査を行っています。ここではウイルス分離法について紹介します。

1 検体を細胞に接種


ウイルスは生きている細胞の中でのみ増殖します。あらかじめ細胞をプレートに単層培養しておき、この細胞に検体を接種します。

2 ウイルスの組織培養


検体を接種した細胞をCO2インキュベーター(孵卵器)に入れ、35℃でウイルスを培養します。培養には通常1〜2週間かかります。

3 細胞変性効果(CPE)の観察


培養細胞がウイルスに感染すると、細胞変性効果(CPE)と呼ばれる細胞の形態変化がみられます。このCPEを光学顕微鏡で観察します。

4 ウイルスの同定


左の写真は、アデノウイルスが感染したヒト子宮頸がん由来のHela細胞でのCPEです。


CPEが観察された検体では、未知のウイルスを既知の抗体により中和して、ウイルスの種類を同定(判定)します。