ノロウイルスは毎年冬季に流行するウイルスで、保育所や老人施設などで嘔吐・下痢・発熱などを伴う集団発生を引き起こします。


ノロウイルスはヒトの腸管内でしか増殖しないため、通常のウイルス検査に用いられる培養細胞を用いた分離ができません。そのため、これに代わる様々な検査法が開発されています。ウイルス粒子を観察し、形状から特定する電子顕微鏡法や、ノロウイルスに特異的に結合する抗体を用いたELISA法、短時間で結果判定が可能なイムノクロマト法など様々な方法がありますが、現在最も一般的に用いられているのがPCR法です。


当研究センターでは遺伝子の増幅をリアルタイムに測定し、増幅率に基づいてウイルスの数を測定できるリアルタイムPCR装置や、遺伝子の塩基配列を決定するDNAシークエンサーなどを用いた遺伝子検査によってノロウイルスに関する試験研究を行っています。

1 検体の前処理


蒸留水を入れたチューブに検体(便)を少量取り、一定時間攪拌します。

2 ウイルスRNAの抽出


攪拌後の検体からウイルスRNA(リボ核酸)を抽出します。核酸抽出装置を用いると、RNAを自動抽出できます。

3 ウイルス遺伝子の検出


リアルタイムPCR装置を用いて、ウイルス遺伝子を検出します。定量的な測定が可能です。

4 塩基配列の決定


DNAシークエンサーを用いて、遺伝子の塩基配列を決定します。この結果に基づいてウイルスのタイプを判定します。