兵庫県感染症発生動向調査週報(平成14年)

平成14年1月17日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

第2週(1月7日〜1月13日)コメント

全数把握感染症(県内)

1類感染症:報告はありません

2類感染症:報告はありません

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 1名(姫路市1名)

4類感染症:報告はありません

定点把握感染症等の概況(県内)

先週は年始の医療機関休診の影響等で多くの疾病で患者数の減少が見られましたが、今週はその反動で多くの疾病で患者数が増加しました。インフルエンザの報告患者数はまだ少ないですが、流行が始まると急激に患者数が増えるので注意が必要です。伝染性紅斑は昨年から引き続き平成9〜10年と似た傾向を示しており、まだしばらく患者数が多い状態が続く可能性があります。マイコプラズマ肺炎は患者数が増加し、過去2年に比べ患者数が多くなっています。全国的にも多い状態なので注意が必要です。

定点当り患者数の上位10位の疾病(県内第2週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

8.76

3.36

+5.40

6位

A群溶レン菌咽頭炎

0.77

0.26

+0.51

2位

水痘

4.20

2.50

+1.70

7位

インフルエンザ

0.70

0.19

+0.51

3位

流行性耳下腺炎

1.44

0.52

+0.92

8位

伝染性紅斑

0.52

0.18

+0.34

4位

突発性発疹

1.00

0.27

+0.73

9位

無菌性髄膜炎

0.23

0.08

+0.15

5位

流行性角結膜炎

0.83

0.11

+0.72

同上

マイコプラズマ肺炎

0.23

0.00

+0.23

定点把握感染症等全国の概況(第51週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用

感染性胃腸炎水痘の定点当たり報告数は12週連続で増加している。例年は年末の第49〜51週の年末にピークを迎える。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎はここ3週ほど目立った動きはない。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週続けて前週より増加し、依然として過去5年間の同時期に比べかなり多い状態が持続している。基幹病院定点からの報告疾患であるマイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は3週連続で減少している。
(例年との比較については)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎感染性胃腸炎水痘は例年年末に患者報告数が多くなり、平成13年も同様の傾向がみられる。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は例年の同時期よりやや多くなっている。感染性胃腸炎の定点当たり報告数も過去5年間の同時期に比べやや多くなっている。伝染性紅斑は非流行期であるが、過去の5年間の同時期と比較するとやや定点当たり報告数が多くなっている。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は、第19週よりここ10年間で最大の定点当たり報告数が持続している。インフルエンザは、流行の指標と考えられる定点当たり報告数1.0を超えていない。

目で見る動向(県内)

12月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の患者数は例年に比べ多くなっています。淋菌感染症の患者数も例年に比べやや多い傾向です。薬剤耐性菌感染症では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の患者数は平成11年に比べて平成12年以降は多くなり、平成13年に入ってからも多い状態が続いています。ペニシリン耐性肺炎球菌感染症の患者数は平成13年に入って急増しましたが、8月からは平成12年のレベルに戻っています。今月は、先月より患者数が増加しました。

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

性器クラミジア感染症

110

123

89

110

143

119

116

103

2.39

2.67

1.93

2.39

3.11

2.59

2.52

2.34

性器ヘルペスウイルス感染症

22

33

31

24

28

33

28

17

0.48

0.72

0.67

0.52

0.61

0.72

0.61

0.39

尖形コンジローム

12

5

11

12

14

11

9

9

0.26

0.11

0.24

0.26

0.30

0.24

0.20

0.20

淋菌感染症

68

61

38

72

69

65

41

53

1.48

1.33

0.83

1.57

1.50

1.41

0.89

1.20

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

28

42

49

50

46

41

40

50

2.00

3.00

3.50

3.57

3.29

2.93

2.86

3.57

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

44

49

27

10

3

16

4

22

3.14

3.50

1.93

0.71

0.21

1.14

0.29

1.57

薬剤耐性緑膿菌感染症

0

1

0

3

1

1

2

1

0.00

0.07

0.00

0.21

0.07

0.07

0.14

0.07

この週報は兵庫県立衛生研究所ホームページhttp://www.iph.pref.hyogo.jp/にも掲載しています。

また、http://idsc.nih.go.jp/index-rj.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます