兵庫県感染症発生動向調査週報(平成13年)

平成13年12月13日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

第49週(12月3日〜12月9日)コメント

全数把握感染症(県内)

1類感染症:報告はありません

2類感染症:細菌性赤痢 2名(尼崎市、三田健康福祉事務所管内)

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 1名(和田山健康福祉事務所管内)

4類感染症:急性ウイルス性肝炎 1名(神戸市)、ジアルジア症 1名(姫路市)  

定点把握感染症等の概況(県内)

感染性胃腸炎水痘A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者数が増加しています。これから年末にかけての流行期に向け注意が必要です。流行性耳下腺炎の患者数も先週より減少しましたが、全国的にも患者数の多い状態なので、今後の動向に注意していきたいと思います。インフルエンザの報告患者数はまだ少ないですが、時期的にみてそろそろ動向に注意しておく必要があります。伝染性紅斑2週連続で患者数が増加し、ここ5週間は増加傾向にあります。マイコプラズマ肺炎は2週連続して患者数が増加し、患者数が多くなっています。全国的にも多い状態なので注意が必要です。

定点当り患者数の上位10位の疾病(県内第49週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

16.09 

15.21

+0.88

6位

伝染性紅斑

0.45

0.38

+0.07

2位

水痘

2.91

2.41 

+0.50 

7位

マイコプラズマ肺炎

0.43

0.21

+0.22

3位

A群溶レン菌咽頭炎

1.07

0.77

+0.30

8位

流行性角結膜炎

0.34

0.74

-0.40

4位

流行性耳下腺炎

1.00

1.28

-0.28

9位

細菌性髄膜炎

0.14

0.00

+0.14

5位

突発性発疹

0.73

0.74

-0.01

10位

インフルエンザ

0.12

0.11

+0.01

定点把握感染症等全国の概況(第47週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用

感染性胃腸炎水痘の定点当たり報告数は8週連続で増加しており、今後年末のピークシーズンに向け患者数の増加が予想される。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎も定点あたり報告数が前週よりわずかに増加し、ここ5週では全体として増加傾向にある。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は前週より増加した。基幹病院定点からの報告疾患であるマイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は、4週ぶりに前週を下回ったが、昨年、一昨年に比べると定点あたり報告数の多い状態が続いている。
(例年との比較については)A群溶血性レンサ球菌咽頭炎感染性胃腸炎水痘は年末のピークに向け患者報告数の増加が見られている。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は例年の同時期よりやや多くなっている。感染性胃腸炎は第39週より患者報告数が徐々に増加し始め、第45週、46週、47週と急増している。伝染性紅斑は非流行期であるが、過去の5年間の同時期と比較すると定点あたり報告数がかなり多くなっている。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は、第19週よりここ10年間で最大の定点当たり報告数が持続している。

目で見る動向(県内)

11月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の患者数は例年に比べ多くなっています。淋菌感染症の患者数も例年に比べ多い傾向にありましたが、今月は減少しました。薬剤耐性菌感染症では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の患者数は平成11年に比べて平成12年以降は多くなり、今年に入ってからも多い状態が続いています。ペニシリン耐性肺炎球菌感染症の患者数は今年に入って急増しましたが、7月より患者数が減少し始め、9月から平成12年のレベルに戻りました。

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

性器クラミジア感染症

104

110

123

89

110

143

119

116

2.26

2.39

2.67

1.93

2.39

3.11

2.59

2.52

性器ヘルペスウイルス感染症

29

22

33

31

24

28

33

28

0.63

0.48

0.72

0.67

0.52

0.61

0.72

0.61

尖形コンジローム

13

12

5

11

12

14

11

9

0.28

0.26

0.11

0.24

0.26

0.30

0.24

0.20

淋菌感染症

45

68

61

38

72

69

65

41

0.98

1.48

1.33

0.83

1.57

1.50

1.41

0.89

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

47

28

42

49

50

46

41

40

3.36

2.00

3.00

3.50

3.57

3.29

2.93

2.86

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

27

44

49

27

10

3

16

4

1.93

3.14

3.50

1.93

0.71

0.21

1.14

0.29

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

0

1

0

3

1

1

2

0.07

0.00

0.07

0.00

0.21

0.07

0.07

0.14

この週報は兵庫県立衛生研究所ホームページhttp://www.iph.pref.hyogo.jp/にも掲載しています。

また、http://idsc.nih.go.jp/index-rj.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます