兵庫県感染症発生動向調査週報(平成18年)第22週

平成18年6月8日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症法及びその関連法規に基づく感染症発生動向調査の県内状況を速報するものです。患者数は確定した値ではありませんのでご了承ください。感染症発生動向調査は全数把握対象疾病にあっては国内の全医療機関、定点把握対象疾病にあっては指定の医療機関(定点)からの保健所(健康福祉事務所)への報告に基づいています。

 

 麻しん流行のおそれ 

関東地方で麻しんの集団発生が複数件あり、関東一円、全国的な流行の可能性が危惧されるとして、国立感染症研究所感染症情報センターは緊急情報を出して注意を喚起しています。     http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/meas0605.html

また、「医療機関での麻疹対応について(初版)」及び「保育園・幼稚園・学校等での麻しん患者発生時の対応マニュアル」も出されました。 http://idsc.nih.go.jp/disease/measles/index.html

 

 

平成18年第22週(平成18年5月29日〜6月4日)コメント

全数把握感染症(県内第22週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 2名(尼崎市 1名)O157 VT2+、

(洲本健康福祉事務所管内1名)O26 VT1+

4類感染症:マラリア 1名(神戸市、海外渡航者)

          レジオネラ 1名(神戸市)

5類感染症:クロイツフェルト・ヤコブ病 1名(尼崎市、古典型)

            後天性免疫不全症候群 1名AIDS)

         

定点把握感染症等の概況(県内第22週)

腸管出血性大腸菌感染症が今週2名報告されています。洲本健康福祉事務所管内の1名は保育園児で、同じ保育園の複数の園児・職員から無症状の保菌者がみつかっており詳細は現在調査中です。暑い日が多くなり、腸管出血性大腸菌感染症をはじめ食中毒も増えてくる季節です。食事前やトイレ後の手洗いを十分に行い、できるだけ加熱調理したものを食べる、室温に放置しないなど注意してください。

インフルエンザの定点あたり患者数は今週は減少しましたが、この時期としては患者数の多い状態です。インフルエンザ定点から依然278名(先週365名)の患者報告がありました。全国的には、北海道の1地域で警報レベルを超えているほか、北海道の2地域と福岡県、鹿児島県、沖縄県のそれぞれ1地域で注意報レベルを超えています(第21週)。

咽頭結膜熱の定点あたり患者数は今週さらに増加し、近年で最も高いピークを記録した平成15年のピークを既に超えています。今後例年の流行期をむかえ患者数がさらに増加する可能性があります。うがい・手洗い・水泳前後のシャワーなどが大切です。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は今週増加して、多い状態が続いています。家族や学校で集団発生が起こることもあります。患者との濃厚接触をさける、うがい、手洗いをするなど感染予防が大切です。流行性耳下腺炎の患者数が増加しています。伝染性紅斑の患者数は先週まで4週連続で増加しましたが今週は減少しました。

夏型感染症の代表である手足口病、ヘルパンギーナの患者数もさらに増加して明らかな立ち上がりをみせてきました。これから急速な患者数の増加が予想されます。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第22週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1

感染性胃腸炎

4.98

5.98

1.00

6

インフルエンザ

1.48

1.89

0.41

2

水痘

3.57

2.75

0.82

7

流行性角結膜炎

1.43

1.32

0.11

3

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

2.13

1.88

0.25

8

手足口病

0.95

0.74

0.21

4

流行性耳下腺炎

1.83

1.36

0.47

9

ヘルパンギーナ

0.94

0.47

0.47

5

咽頭結膜熱

1.51

1.43

0.08

10

突発性発しん

0.54

0.57

0.03

 

検査情報(県立健康環境科学研究センター)

 上気道炎等の患者14人(2〜11歳)から4月末〜5月中に採取された検体においてビクトリアタイプB型インフルエンザウイルスが検出されました。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第20週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

  インフルエンザの定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(3.7)、北海道(3.5)、愛媛県(2.9)、青森県(2.5)、鳥取県(2.4)が多い。RSウイルス感染症121例の報告があり、報告数は増加した。年齢別では、1歳以下の報告数が全体の74%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は微増したが、過去5年間の同時期と比較してやや多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で増加した。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で増加した。百日咳の定点当たり報告数は増加した。風しんの定点当たり報告数は横ばいであった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第10週以降、増加が続いている。麻しんの定点当たり報告数は微増した。都道府県別では岐阜県(0.06)、徳島県(0.05)、千葉県(0.04)、広島県(0.04)、鹿児島県(0.04)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。成人麻しんは千葉県から3例の報告があった。

 

目で見る動向(県内)

 

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます