兵庫県感染症発生動向調査週報(平成17年)

平成17年9月22日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成17年第37週(9月12日〜9月18日)コメント

 

全数把握感染症(県内第37週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症腸管出血性大腸菌感染症 5名

(姫路市、伊丹健康福祉事務所管内 各2名、芦屋健康福祉事務所管 1名)

O157 VT1+VT2  2名    O157 VT2  1名   

O115 VT1+  2名

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:アメーバ赤痢 2名伊丹健康福祉事務所管内、宝塚健康福祉事務所管内 各1名)

追加報告 :腸管出血性大腸菌感染症 (社健康福祉事務所管内、第33週、O157 VT1VT2+)

           (伊丹健康福祉事務所管内、第36週、O157 VT1VT2+)

 

定点把握感染症等の概況(県内第37週)

腸管出血性大腸菌感染症5名の発生報告となっています。伊丹健康福祉事務所管内の2名は、追加報告(第36週)の患者と同一家族です。暑さのピークは過ぎつつあると思われますが、まだ発生動向には注意が必要です。

流行性角結膜炎の定点あたり患者数は今週減少しましたが、依然患者数の多い状態です。接触感染するので、眼分泌物はティッシュなどで拭き取り、手で直接触れない、手洗いを励行する、洗面器・タオルを共用しないなどの注意が必要です。百日咳の定点あたり患者数が増加しました。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第37週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

2.69

2.80

-0.11

6位

水痘

0.41

0.37

0.05

2位

流行性角結膜炎

1.46

1.69

-0.23

7位

手足口病

0.39

0.56

-0.17

3位

ヘルパンギーナ

0.86

0.90

-0.04

8位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.37

0.48

-0.11

4位

流行性耳下腺炎

0.77

0.78

-0.02

9位

咽頭結膜熱

0.21

0.30

-0.09

5位

突発性発しん

0.74

0.93

-0.19

10位

伝染性紅斑

0.12

0.11

0.01

 

検査情報(県立健康環境科学研究センター)

 コクサッキーA6型ヘルパンギーナ患者2名6才男児1名、1才女児1名)の咽頭ぬぐい液から、コクサッキーB3型無菌性髄膜炎患者1名(4才女児)の咽頭ぬぐい液及び髄液から、それぞれ検出されています。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第35週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

インフルエンザの定点当たり報告数は横ばいであったが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い状態である。都道府県別では沖縄県(1.76)、鹿児島県(0.03)、茨城県(0.02)、山梨県(0.02)が多い。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第31週以降減少が続いている。都道府県別では石川県(1.10)、大分県(1.03)、広島県(0.95)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別では山形県(1.03)、宮崎県(0.97)、北海道(0.90)、鳥取県(0.84)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では宮崎県(7.0)、福井県(4.7)、大分県(4.7)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鳥取県(1.05)、山梨県(0.96)、大分県(0.81)が多い。手足口病の定点当たり報告数は微増した。都道府県別では鳥取県(4.6)、新潟県(3.4)、愛媛県(3.3)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では鹿児島県(0.79)、福島県(0.69)、青森県(0.67)が多い。百日咳の定点当たり報告数は微増した。都道府県別では栃木県(0.11)、和歌山県(0.10)、香川県(0.06)が多い。風しんの定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では石川県(0.03)、広島県(0.03)、宮崎県(0.03)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第28週以降、減少が続いている。都道府県別では長野県(2.9)、新潟県(2.8)、福井県(2.5)が多い。麻しんの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では岡山県(0.02)、東京都(0.01)、愛知県(0.01)、京都府(0.01)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は2週連続して減少した。都道府県別では石川県(4.4)、沖縄県(3.3)、富山県(2.9)が多い。RSウイルス感染症は、ゼロ報告を含めて38都道府県から56例の報告があり、報告数は増加した。年齢別では、1歳以下の報告数は全体の約73%を占めている。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では石川県(1.40)、山口県(1.11)、福島県(0.71)が多い。

 

 

目で見る動向(県内)

 

8月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では尖圭コンジローマの定点あたり患者数が多い状態が続いています。先月に減少した性器ヘルペスウイルス感染症も今月は増加し、増減を繰り返しながらも患者数が多い状態が続いています。今年の1月に急増し、その後減少していた淋菌感染症の定点あたり患者数は微増の傾向にあります。薬剤耐性菌感染症では、微増の傾向にあったペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP)は今月患者発生報告はありませんでした。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

性器クラミジア感染症

104

95

117

85

124

111

125

113

2.21

2.02

2.66

1.85

2.76

2.41

2.72

2.46

性器ヘルペスウイルス感染症

38

46

38

52

33

47

25

50

0.81

0.98

0.86

1.13

0.73

1.02

0.54

1.09

尖圭コンジローマ

22

25

26

30

23

27

33

32

0.47

0.53

0.59

0.65

0.51

0.59

0.72

0.70

淋菌感染症

76

40

38

35

46

46

49

53

1.62

0.85

0.86

0.76

1.00

1.00

1.07

1.15

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症MRSA)

37

48

45

45

45

33

45

32

2.85

3.69

3.46

3.46

3.46

2.54

3.46

2.46

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP)

9

10

7

4

4

6

9

0.69

0.77

0.54

0.31

0.31

0.46

0.69

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

1

1

0.08

0.08

0.08

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます