兵庫県感染症発生動向調査週報(平成17年)

平成17年6月23日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成17年第24週(6月13日〜6月19日)コメント

全数把握感染症(県内第24週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 2名尼崎市、加古川健康福祉事務所管内 各1名)

O157 VT2+ 1名      O157 VT型別中 1名  

4類感染症:A型肝炎 1名(龍野健康福祉事務所管内)

          レジオネラ症 1名(神戸市)      

5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1名(神戸市)

          後天性免疫不全症候群(無症候性) 2名

追加報告 :A型肝炎 2名(明石健康福祉事務所管内、第18週、第23週)

髄膜炎菌性髄膜炎 1名(西宮市 第23週)

      梅毒(無症候)(明石健康福祉事務所管内、第23週)

 

定点把握感染症等の概況(県内第24週)

腸管出血性大腸菌感染症は今週も2名報告されています。今後暑い日も多くなります。食事前やトイレ後の手洗いを十分に行い、できるだけ加熱調理したものを食べる、室温に放置しないなど衛生管理に注意してください。

感染性胃腸炎の定点あたり患者数は2週連続減少しました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は依然多い状態が続いています。家族や学校で集団発生が起こることもあります。患者との濃厚接触をさける、うがい、手洗いをするなど感染予防が大切です。ヘルパンギーナ、手足口病の定点あたり患者数も増加してきました。例年に比べると増加の程度はゆるやかです。咽頭結膜熱の定点あたり患者数もさらに増加しています。別名プール熱とも言われ、ウイルスに汚染されたプールの水を介して感染することもあります。うがい、手洗い、水泳前後のシャワーなど大切です。伝染性紅斑も増加しています。別名リンゴ病ともいわれ、両頬の蝶形紅斑を特徴とします。

今後夏場に向けて感染症や食中毒の増える季節となります。兵庫県では、「感染症に注意しましょう」(疾病対策課)、「お子様やお年寄りを食中毒から守りましょう」(生活衛生課)というリーフレットを作成しています。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第24週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

5.84

7.85

2.01

6位

咽頭結膜熱

0.80

0.67

0.13

2位

水痘

2.33

2.81

0.48

7位

流行性角結膜炎

0.77

0.71

0.06

3位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

1.91

2.01

0.10

8位

突発性発しん

0.73

0.67

0.06

4位

ヘルパンギーナ

1.18

0.78

0.40

9位

伝染性紅斑

0.54

0.46

0.08

5位

流行性耳下腺炎

0.86

0.85

0.01

10位

手足口病

0.46

0.45

0.01

 

検査情報(兵庫県立健康環境科学研究センター)

 アデノウイルス2型咽頭結膜熱患者2名2才男児、2才女児)、滲出性扁桃炎患者1名(1才男児)の咽頭ぬぐい液から、アデノウイルス1型滲出性扁桃炎患者2名(ともに1才女児)の咽頭ぬぐい液からそれぞれ検出されています。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第22週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

インフルエンザの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鳥取県(2.2)、沖縄県(2.2)、長野県(1.1)が多い。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い状態が続いている。都道府県別では石川県(1.4)、新潟県(1.1)、福岡県(0.9)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では山形県(3.4)、石川県(3.2)、山口県(3.2)、宮崎県(3.2)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は微減したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い状態が続いている。都道府県別では福井県(12.0)、新潟県(10.0)、兵庫県(9.1)、福島県(8.6)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福井県(4.0)、富山県(3.5)、埼玉県(3.2)が多い。手足口病の定点当たり報告数は微増した。都道府県別では沖縄県(11.1)、鳥取県(1.7)、広島県(1.3)、熊本県(1.3)が多く、沖縄県では高値が続いている。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福岡県(1.40)、神奈川県(0.97)、鹿児島県(0.96)が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では長崎県(0.09)、奈良県(0.06)、沖縄県(0.06)が多い。風しんの定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では沖縄県(0.06)、岐阜県(0.04)、大阪府(0.04)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第12週以降、一貫して増加が続いている。都道府県別では富山県(5.5)、三重県(3.2)、愛媛県(2.7)、熊本県(2.7)、群馬県(2.4)が多い。麻しんの定点当たり報告数は微増した。都道府県別では奈良県(0.06)、京都府(0.04)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では石川県(4.3)、福井県(3.7)、福岡県(2.5)が多い。RSウイルス感染症は、ゼロ報告を含めて31都道府県から32例の報告があり、報告数は増加した。年齢別では、1歳以下が全体の59%を占めている。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では石川県(2.6)、山口県(1.6)、静岡県(1.2)、埼玉県(1.1)が多い。

 

 

目で見る動向(県内)

 

5月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数が増加し、これまで増加傾向にあった性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマの定点あたり患者数は、今月はどちらも減少しました。薬剤耐性菌感染症はどの疾患も比較的少ない報告となっています。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

性器クラミジア感染症

111

104

92

104

95

117

85

124

2.36

2.21

1.96

2.21

2.02

2.54

1.85

2.76

性器ヘルペスウイルス感染症

19

24

21

38

46

38

52

33

0.40

0.51

0.45

0.81

0.98

0.83

1.13

0.73

尖圭コンジローマ

28

22

30

22

25

26

30

23

0.60

0.47

0.64

0.47

0.53

0.57

0.65

0.51

淋菌感染症

43

44

44

76

40

38

35

46

0.91

0.94

0.94

1.62

0.85

0.83

0.76

1.02

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症MRSA)

43

52

23

37

48

45

45

36

3.07

3.71

1.64

2.85

3.69

3.21

3.46

2.77

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP)

7

5

2

9

10

7

4

4

0.50

0.36

0.14

0.69

0.77

0.50

0.31

0.31

薬剤耐性緑膿菌感染症

2

1

1

0.14

0.07

0.08

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます