兵庫県感染症発生動向調査週報(平成17年)

平成17年5月19日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成17年4月1日より政令市を除く県下の健康福祉事務所(保健所)の再編があり、結核・感染症対策に従事する事務所が従来の25事務所から13事務所になりました。定点医療機関の数や配置に変更はありません。事務所の再編については http://web.pref.hyogo.jp/singyou/kenminkyoku/saihenitiran.htm をご覧ください。

 

平成17年第19週(5月9日〜5月15日)コメント

全数把握感染症(県内第19週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症:報告はありません。

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:アメーバ赤痢 1名(伊丹健康福祉事務所管内)

      ウイルス性肝炎(B型) 1名(社健康福祉事務所管内)

      後天性免疫不全症候群(AIDS) 1名

追加報告 : 型肝炎 1名(和田山健康福祉事務所管内 第18週) 

      後天性免疫不全症候群(無症候性) 1名(第18週)

 

定点把握感染症等の概況(県内第19週)

インフルエンザは定点から125名(先週190名)の患者報告があり、定点あたり患者数は0.64人(先週0.97人)となっています。

全国的には、定点当たり患者数が警報基準を超えている地域が4地域、注意報基準を超えている地域が1地域あります。(第18週)。

http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/index.html (国立感染症研究所感染症情報センター)

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱は再度増加しています。咽頭結膜熱は別名プール熱とも言われ、ウイルスに汚染されたプールの水を介して感染することもあります。うがい、手洗い、水泳前後のシャワーなど大切です。今後夏型感染症である手足口病、ヘルパンギーナも増加してくると思われます。流行性耳下腺炎は例年より少なめで推移していますが、徐々に増加しています。

今週腸管出血性大腸菌感染症の報告はありません。暑い日が多くなり、腸管出血性大腸菌感染症をはじめ食中毒も増えてくる季節です。食事前やトイレ後の手洗いを十分に行い、できるだけ加熱調理したものを食べる、室温に放置しないなど注意してください。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第19週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

7.74

5.70

2.04

6位

流行性角結膜炎

0.69

0.49

0.20

2位

水痘

2.63

1.76

0.87

7位

インフルエンザ

0.64

0.97

0.33

3位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

1.19

0.84

0.35

8位

咽頭結膜熱

0.52

0.30

0.22

4位

流行性耳下腺炎

0.80

0.70

0.10

9位

伝染性紅斑

0.24

0.15

0.09

5位

突発性発疹

0.74

0.59

0.15

10位

ヘルパンギーナ

0.18

0.12

0.06

 

定点把握感染症等全国の概況 (第16週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

インフルエンザの定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い状態は継続している。都道府県別では秋田県(13.5)、北海道(9.7)、沖縄県(9.4)、鳥取県(9.1)、福井県(8.7)、山形県(7.5)が多い。北海道では2週連続して増加し、山形県でも前週より増加している。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では石川県(0.62)、福井県(0.62)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では北海道(3.5)、山形県(3.0)、新潟県(2.3)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では鳥取県(17.6)、福井県(17.3)、宮崎県(11.4)、石川県(11.0)、大分県(11.0)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(3.0)、福岡県(2.5)、三重県(2.3)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(1.94)、佐賀県(0.91)、高知県(0.87)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福岡県(1.03)、佐賀県(1.00)、福島県(0.77)が多い。百日咳の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では栃木県(0.07)が多い。風しんの定点当たり報告数は微増した。都道府県別では沖縄県(0.15)、群馬県(0.05)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第12週以降、増加が続いており、過去5年間の同時期と比較してやや多い。都道府県別では高知県(1.26)、佐賀県(1.22)、愛媛県(1.00)が多い。麻しんの定点当たり報告数は微増した。都道府県別では沖縄県(0.09)、東京都(0.04)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では福井県(2.6)、熊本県(2.5)、香川県(2.3)が多い。RSウイルス感染症は、ゼロ報告を含めて35都道府県から40例の報告があり、報告数は増加した。年齢別では、1歳以下が全体の70%を占めている。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では石川県(1.40)、山口県(1.22)、福島県(1.00)が多い。

 

目で見る動向(県内)

4月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器ヘルペスウイルス感染症の定点あたり患者数が増加しています。今年になってから多い状態が続いています。 尖圭コンジローマの定点あたり患者数も増加しています。特に平成16年以降の増加が目立ちます。性別では平成13年以降男性の患者発生割合が増加しています。薬剤耐性菌感染症はどの疾患も定点あたり患者数が減少しました。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

性器クラミジア感染症

109

111

104

92

104

95

117

84

2.32

2.36

2.21

1.96

2.21

2.02

2.54

1.83

性器ヘルペスウイルス感染症

19

19

24

21

38

46

38

52

0.40

0.40

0.51

0.45

0.81

0.98

0.83

1.13

尖圭コンジローマ

23

28

22

30

22

25

26

30

0.49

0.60

0.47

0.64

0.47

0.53

0.57

0.65

淋菌感染症

51

43

44

44

76

40

38

32

1.09

0.91

0.94

0.94

1.62

0.85

0.83

0.70

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症MRSA)

34

43

52

23

37

48

45

42

2.43

3.07

3.71

1.64

2.85

3.69

3.21

3.00

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP)

3

7

5

2

9

10

7

3

0.21

0.50

0.36

0.14

0.69

0.77

0.50

0.21

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

2

1

1

0.07

0.14

0.07

0.08

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます