兵庫県感染症発生動向調査週報(平成17年)

平成17年4月21日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成17年4月1日より政令市を除く県下の健康福祉事務所(保健所)の再編があり、結核・感染症対策に従事する事務所が従来の25事務所から13事務所になりました。定点医療機関の数や配置に変更はありません。事務所の再編については http://web.pref.hyogo.jp/singyou/kenminkyoku/saihenitiran.htm をご覧ください。

 

平成17年第15週(4月11日〜4月17日)コメント

全数把握感染症(県内第15週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:細菌性赤痢 1名(神戸市)(海外渡航者)

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 1名(神戸市) O157 VT2+

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:アメーバ赤痢 1名(神戸市)(海外渡航者)

      急性脳炎(水痘帯状疱疹ウイルス) 1名(神戸市)

      梅毒(無症候) 1名(尼崎市)

          劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1名(神戸市 第14週)  

 

 

インフルエンザ情報(県内第15週)

県内の定点からは512名(先週889名)、定点あたり患者数は2.61人(先週4.54人)となっています。定点当たり患者数は順調に減少していますが、過去5年間の同時期でみると最高となっています。北播磨地域および丹波地域の小学校で学級閉鎖が1校、学年閉鎖が1校それぞれ報告されています(4月20日記者発表)。流行は終息に向かっていますが、安心せず、うがい、手洗いの励行、十分な睡眠やバランスのとれた食事をとる、混雑する場所への外出は控える、早めの受診を心がけるなどの注意が必要です。

全国的には、26道府県で定点当たり患者数が警報基準を超えている地域があります。(第14週)。

http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/index.html (国立感染症研究所感染症情報センター)

ウイルス分離は、AH1(Aソ連型)166例AH3(A香港型)1,588例B型2,571例報告されています(4月15日現在)。県内ではAH11例AH371例(神戸市59例含む)とB型138例(神戸市123例含む)分離されています(4月21日現在県情報センター把握分)。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/inti3j.gif (国立感染症研究所感染症情報センター)

 

定点把握感染症等の概況(県内第15週)

 感染性胃腸炎の定点当たり患者数が増加してきました。流行性角結膜炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり患者数が急増しています。咽頭結膜熱の定点当たり患者数は増減がありますが、例年の同時期としては多めの状態です。流行性耳下腺炎の定点当たり患者数は例年と比べて少な目で推移しています。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第15週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

7.18

6.23

0.95

6位

突発性発しん

0.77

0.59

0.18

2位

インフルエンザ

2.61

4.54

1.93

7位

流行性耳下腺炎

0.48

0.63

0.15

3位

水痘

1.56

1.70

0.14

8位

咽頭結膜熱

0.23

0.34

0.11

4位

流行性角結膜炎

0.94

0.37

0.57

伝染性紅斑

0.23

0.30

0.07

5位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.91

0.53

0.38

10位

ヘルパンギーナ

0.13

0.09

0.04

 

 

定点把握感染症等全国の概況 (第13週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

インフルエンザの定点当たり報告数は4週連続で大きく低下したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い状態は継続している。都道府県別では沖縄県(33.9)、秋田県(25.3)、福井県(21.9)、青森県(20.2)が多い。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福井県(0.82)、新潟県(0.40)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では山形県(2.3)、青森県(2.2)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では宮崎県(14.4)、福井県(10.8)、石川県(9.7)が多い。水痘の定点当たり報告数は横ばいであった。都道府県別では沖縄県(5.3)、宮崎県(3.9)、大分県(3.4)が多いが、沖縄県では第4週以降、全国で最も高い値が続いている。手足口病の定点当たり報告数は微増した。都道府県別では和歌山県(0.77)、徳島県(0.65)、佐賀県(0.65)が多い。百日咳の定点当たり報告数は微減した。都道府県別では千葉県(0.06)、奈良県(0.06)が多い。風しんの定点当たり報告数は微増した。都道府県別では宮城県(0.03)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では愛媛県(0.92)、和歌山県(0.45)、岐阜県(0.43)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では福井県(3.7)、福岡県(2.7)、佐賀県(2.5)が多い。RSウイルス感染症は、ゼロ報告を含めて36都道府県から60例の報告があり、微減した。年齢別では、1歳以下が全体の77%を占めている。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では山口県(1.78)、群馬県(1.10)が多い。 

 

目で見る動向(県内)

 

 

3月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数が増加しています。性器ヘルペスウイルス感染症の定点あたり患者数は今月減少しましたが多い状態が続いています。尖圭コンジローマの定点あたり患者数も増加し、多い状態となっています。薬剤耐性菌感染症はどの疾患も定点あたり患者数が減少しました。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

性器クラミジア感染症

126

109

111

104

92

104

95

117

2.68

2.32

2.36

2.21

1.96

2.21

2.02

2.66

性器ヘルペスウイルス感染症

27

19

19

24

21

38

46

38

0.57

0.40

0.40

0.51

0.45

0.81

0.98

0.86

尖圭コンジローマ

30

23

28

22

30

22

25

26

0.64

0.49

0.60

0.47

0.64

0.47

0.53

0.59

淋菌感染症

53

51

43

44

44

76

40

38

1.13

1.09

0.91

0.94

0.94

1.62

0.85

0.86

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症MRSA)

38

34

43

52

23

37

45

26

2.71

2.43

3.07

3.71

1.64

2.85

3.46

2.00

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP)

8

3

7

5

2

9

4

2

0.57

0.21

0.50

0.36

0.14

0.69

0.31

0.15

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

1

2

1

1

0.07

0.07

0.14

0.07

0.08

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます