兵庫県感染症発生動向調査週報(平成17年)

平成17年01月27日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

今冬のインフルエンザ総合対策が厚生労働省から発表されました。<栄養、睡眠、予防接種で三位一体。インフルエンザ予防>を標語に掲げています。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1.html

 

平成17年第3週(1月17日〜1月23日)コメント

全数把握感染症(県内第3週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症:報告はありません。

4類感染症:オウム病 1名(加古川健康福祉事務所管内)

      マラリア(熱帯熱) 1名(神戸市)(海外渡航者)

5類感染症:梅毒(晩期顕症) 1名(神戸市)

 

 第2週分として後天性免疫不全症候群(無症候性) 1名(神戸市)が報告されています。

 

インフルエンザ情報(県内第3週)

県内の定点から209名、定点あたり患者数1.07人の報告となり、流行開始の目安となる1.0人をこえました。県内で注意報・警報レベルを超えている健康福祉事務所はありませんが、三木、佐用健康福祉事務所管内の定点あたり患者数が多くなっています。インフルエンザは一般に流行の立ち上がりが急激です。うがい、手洗いの励行、十分な睡眠やバランスのとれた食事をとる、混雑する場所への外出は控える、早めの受診を心がけるなどの注意が必要です。

全国的には定点当たり患者数が警報・注意報レベルをこえている都道府県はありません(第2週)。

http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/index.html (国立感染症研究所感染症情報センター)

北海道、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、岐阜、滋賀、京都、大阪、兵庫、岡山の都道府県から累計77校の学級閉鎖等が報告されています(1月21日現在)。

http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/infreport/infl04_05-10.pdf (国立感染症研究所感染症情報センター)

ウイルス分離は、AH1(Aソ連型)52例、AH3(A香港型)が77例、B型が61例報告されています(1月21日現在)。県内ではAH3(神戸市)とB型(兵庫県、神戸市)が分離されています。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/inti3j.gif (国立感染症研究所感染症情報センター)

 

定点把握感染症等の概況(県内第3週)

 感染性胃腸炎の定点当たり患者数がやや減少しました。昨年この時期としては多い患者数が報告されましたが、今年も同様の患者数となっています。感染性胃腸炎の原因の1つであるノロウイルスによる食中毒も多発しています。ノロウイルスに関連して以下の情報が掲載されています。

「ノロウイルスによる胃腸炎の予防について」http://web.pref.hyogo.jp/sippei/norovirus.htm (県疾病対策課)

「老人福祉施設等において感染症・食中毒が疑われる事例が発生した場合の対応について」

http://web.pref.hyogo.jp/sippei/topix.htm (県疾病対策課)

「今冬の感染性胃腸炎の集団発生事例について」http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/01/h0112-3.html(厚生労働省)

「ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A」http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html(厚生労働省)

 A群溶血性レンザ球菌咽頭炎の定点あたり患者数が急増しています。咽頭結膜熱の定点あたり患者数も増減があるもののこの時期としては多い状態です。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第3週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

13.34

13.57

0.23

6位

流行性耳下腺炎

0.60

0.66

0.06

2位

水痘

1.98

2.25

0.27

7位

流行性角結膜炎

0.54

0.66

0.12

3位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

1.32

0.70

0.62

8位

RSウイルス感染症

0.27

0.12

0.15

4位

インフルエンザ

1.07

0.27

0.80

9位

伝染性紅斑

0.26

0.21

0.05

5位

突発性発しん

0.89

0.75

0.14

10位

咽頭結膜熱

0.24

0.16

0.08

 

検査情報(県立健康環境科学研究センター)

 平成16年第52・53週で報告しました腸重積症(0才児)のアデノウイルス(型未同定)はアデノウイルス2型と判明しました。また、滲出性扁桃炎患者の双子の姉妹(1歳児)2名からアデノウイルス(型未同定)が検出されましたが、うち1人は出血性膀胱炎を併発したとのことです。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第1週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

1週のインフルエンザの定点当たり報告数は第52週、第53週と比べて減少した。過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)との比較でも低いレベルにある。都道府県別では鳥取県(1.1)、岐阜県(0.95)が多い。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は、第53週と比べて横ばいとなっている。しかし、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では福井県(1.0)、北海道(0.89)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数(0.72)は、第52週、第53週と比べて減少した。都道府県別では山形県(1.9)、高知県(1.6)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加が続いていたが、第52週より大きく減少した第53週と比べて横ばいである。都道府県別では宮崎県(20.0)、山口県(19.2)、福井県(18.8)が多い。水痘の定点当たり報告数は第52週、第53週と比べて増加した。都道府県別では宮崎県(6.8)、大分県(6.6)、沖縄県(5.5)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第52週、第53週と比べて減少した。都道府県別では石川県(0.83)、宮崎県(0.73)が多い。百日咳の定点当たり報告数は第52週、第53週と比較して減少している。都道府県別では徳島県(0.04)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は第52、第53週よりも増加し、2004年の1年間の最高値よりも高い値となった。都道府県別では福井県(6.7)、佐賀県(4.0)が多い。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて39都道府県から517例の報告があり、第52週と比べて減少した。年齢別では1歳以下の報告数が全体の85%を占めている。都道府県別では大阪府(47例)、広島県(40例)からの報告が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第52週よりは減少し、第53週よりやや増加した。都道府県別では岡山県(2.0)、福島県(1.3)が多い。

 

目で見る動向(県内)

 

12月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では尖圭コンジローマの定点あたり患者数が徐々に増加しています。薬剤耐性菌感染症ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症MRSA)の定点あたり患者数が減少しました。ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP)は比較的患者数の少ない状態で推移しています。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

性器クラミジア感染症

110

121

129

126

109

111

104

92

2.34

2.57

2.74

2.68

2.32

2.36

2.21

1.96

性器ヘルペスウイルス感染症

18

30

31

27

19

19

24

21

0.38

0.64

0.66

0.57

0.40

0.40

0.51

0.45

尖圭コンジローマ

25

21

21

30

23

28

22

30

0.53

0.45

0.45

0.64

0.49

0.60

0.47

0.64

淋菌感染症

41

60

59

53

51

43

44

44

0.87

1.28

1.26

1.13

1.09

0.91

0.94

0.94

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症MRSA)

32

43

40

38

34

43

52

23

2.29

3.07

2.86

2.71

2.43

3.07

3.71

1.64

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(PRSP)

7

8

3

8

3

7

5

2

0.50

0.57

0.21

0.57

0.21

0.50

0.36

0.14

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

1

2

1

0.07

0.07

0.14

0.07

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます