兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年12月16日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

今冬のインフルエンザ総合対策が厚生労働省から発表されました。<栄養、睡眠、予防接種で三位一体。インフルエンザ予防>を標語に掲げています。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1.html

 

平成16年第50週(12月6日〜12月12日)コメント

全数把握感染症(県内第50週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症細菌性赤痢(神戸市)(海外渡航者)

           パラチフス(神戸市)(海外渡航者)

3類感染症:報告はありません。  

4類感染症A型肝炎(西宮市)

5類感染症:破傷風 1名(姫路市)(48週)

           B型肝炎 1名(神戸市)(49週)

 

インフルエンザ情報(県内第50週)   リンク先の情報は更新されている可能性があります。

県内の定点から今週34名、定点あたり患者数0.17人の患者発生報告がありました。学級閉鎖については、阪神南地域と神戸市で1校ずつの報告があり、累計4校となっています。今シーズンは学級閉鎖やウイルス分離の報告が早い傾向にあります。インフルエンザは流行の立ち上がりが一般に急激なので注意が必要です。うがい、手洗いの励行、十分な睡眠やバランスのとれた食事をとる、混雑する場所への外出は控える、早めの受診を心がけるなどの注意が必要です。

全国的には警報・注意報のでている都道府県はありません(第49週)。北海道、群馬、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、岡山の都道府県から累計で18校の学級閉鎖が報告されています(12月13日現在)。

http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/infreport/infl04_05-06.pdf

ウイルス分離は、AH1(ソ連型)1例(岡山)、AH3(香港型)が23例(千葉、東京、愛知、大阪、兵庫(神戸市)、奈良、岡山)、B型が6例(愛知、兵庫)から報告されています(12月8日現在)。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/prompt/graph/inti3j.gif

国立感染症研究所感染症情報センターのホームページにインフルエンザ流行レベルマップが公開されています。

http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-keiho/index.html

 

 

定点把握感染症等の概況(県内第50週)

感染性胃腸炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数が増加しています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は、過去5年間の同時期では最高となっています。水痘の定点あたり患者数は例年より少なめに推移しています。咽頭結膜熱の定点あたり患者数は増減がありますが、例年の同時期と比較すると多めの状態となっています。百日咳の定点あたり患者数もやや多い状態です。

 

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第50週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

14.45

11.07

3.38

6位

流行性角結膜炎

0.63

0.51

0.12

2位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

1.49

1.13

0.36

7位

手足口病

0.29

0.23

0.06

3位

水痘

1.28

1.38

0.10

8位

伝染性紅斑

0.25

0.24

0.01

4位

流行性耳下腺炎

0.80

0.69

0.11

9位

咽頭結膜熱

0.21

0.25

0.04

5位

突発性発しん

0.63

0.56

0.07

10位

インフルエンザ

0.17

0.08

0.09

 

 

検査情報(県立健康環境科学研究センター)

 今週、エコー18が2例(1歳女児、2歳男児)、エコー6が1例(3歳男児)、麻しん様疾患患者(0歳女児)からヒトヘルペスウイルス6が1例分離されています。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第48週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

インフルエンザの報告数は微増したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較して少ない。都道府県別では千葉県(0.5)が多く、宮城県(0.7)からの報告については修正される予定である。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第25週に過去10年間の全ての週と比較して最高値となった後、第29週まで最高値を更新し続けた。その後、第40週の微増を除き減少を続けたが、第43週から再び緩やかに増加している。都道府県別では北海道(0.7)、福井県(0.7)、佐賀県(0.7)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少し続けた後、第35週からは増加傾向が認められているが、第48週は減少した。都道府県別では山形県(3.5)、高知県(2.9)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いた後、第31週からはほぼ横ばいで推移したが、第43週からは増加している。都道府県別では福井県(10.7)、富山県(10.4)、愛媛県(10.4)が多い。水痘の定点当たり報告数は第42週から増加傾向が認められており、第48週も増加した。都道府県別では宮崎県(3.6)、山形県(3.1)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から第29週まで緩やかに増加した後、第32週までほぼ横ばいで推移した。第33週に微減したが、その後再びほぼ横ばいで推移している。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では宮崎県(3.5)、石川県(2.9)が多い。百日咳の定点当たり報告数は微減したが、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では長崎県(0.1)が多い。風しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、第29週以降継続して0.03未満で推移している。都道府県別では7都道府県から報告があったが、いずれも0.1未満であった。麻しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、第1週から継続して0.03未満で推移している。都道府県別では13都道府県から報告があったが、いずれも0.1未満であった。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は第40週からは増加傾向が認められているが、第48週は微減した。都道府県別では福井県(3.7)、佐賀県(3.6)が多い。RSウイルス感染症の総報告数は第40週から緩やかに増加が認められ、特に第46週からは大きく増加している。第48週はゼロ報告を含めて41都道府県から報告がなされ、合計506例であった。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の当該週と比較して最も多く、都道府県別では埼玉県(2.3)、福島県(1.9)が多い。

 

目で見る動向(県内)

 

11月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では尖圭コンジローマの定点あたり患者数が多い状態が続いています。薬剤耐性菌感染症ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の定点あたり患者数が増加しています。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

性器クラミジア感染症

115

110

121

129

126

109

111

104

2.45

2.34

2.57

2.74

2.68

2.32

2.36

2.21

性器ヘルペスウイルス感染症

21

18

30

31

27

19

19

24

0.45

0.38

0.64

0.66

0.57

0.40

0.40

0.51

尖圭コンジローマ

18

25

21

21

30

23

28

22

0.38

0.53

0.45

0.45

0.64

0.49

0.60

0.47

淋菌感染症

44

41

60

59

53

51

43

44

0.94

0.87

1.28

1.26

1.13

1.09

0.91

0.94

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

26

32

43

40

38

34

43

49

1.86

2.29

3.07

2.86

2.71

2.43

3.07

3.50

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

8

7

8

3

8

3

7

3

0.57

0.50

0.57

0.21

0.57

0.21

0.50

0.21

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

1

1

2

0.07

0.07

0.07

0.14

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます