兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年11月12日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

今冬のインフルエンザ総合対策が厚生労働省から発表されました。<栄養、睡眠、予防接種で三位一体。インフルエンザ予防>を標語に掲げています。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1.html

 

平成16年第45週(11月1日〜11月7日)コメント

全数把握感染症(県内第45週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症腸管出血性大腸菌感染症 7名

      O157  VT1+,VT2+ (神戸市 6名、加古川健康福祉事務所管内 1名)

4類感染症:レジオネラ症 1名(神戸市)

5類感染症:ウイルス性肝炎(B型) 1名(神戸市)   

      

定点把握感染症等の概況(県内第45週)

腸管出血性大腸菌感染症は今週7名の報告がありました。神戸市の6名は同一施設内での発生となっています。例年11月頃は意外とこの疾病が多い時期となっています。衛生管理には十分注意し、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

感染性胃腸炎、水痘の定点あたり患者数が増加してきました。これらの疾患は、これから年末のピークに向かってさらに患者数が増加してくるものと予想されます。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は増減ありません。咽頭結膜熱の定点あたり患者数は減少しましたが、例年の同時期と比較するとやや多い状態となっています。

風しんについては、県内では患者数の少ない状態が続いていますが、妊娠初期に罹患すると先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があるので注意が必要です。厚生労働省ホームページや兵庫県健康生活部疾病対策課のホームページをご覧ください。「風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言」も出されています。

 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.html

http://web.pref.hyogo.jp/sippei/fuushin.htm

スギヒラタケによると思われる脳炎・脳症が東北・北陸地方で多発しています。腎臓機能が低下している人がスギヒラタケを食べたことが発症者に共通しているといわれています。安全性が確認されるまでの間、腎臓機能が低下している方はスギヒラタケの摂食を控えるよう厚生労働省では自治体の衛生主管部局及び関係団体に通知を出して注意を呼びかけています。また、医療機関につきましては、疑わしい患者の届出及び検体の添付に関して厚生労働省から指示(11/9付け)が出されていますのでご留意ください。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第45週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

4.56

3.56

1.00

6位

水痘

0.62

0.42

0.20

2位

突発性発疹

0.81

0.77

0.04

7位

手足口病

0.38

0.36

0.02

3位

流行性耳下腺炎

0.74

0.80

0.06

8位

細菌性髄膜炎

0.25

0.08

0.17

流行性角結膜炎

0.74

0.60

0.14

9位

咽頭結膜熱

0.13

0.17

0.04

5位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.63

0.63

±0

10位

伝染性紅斑

0.11

0.15

0.04

 

定点把握感染症等全国の概況 (第43週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第25週に過去10年間の全ての週と比較して最高値となった後、第29週まで最高値を更新し続けた。その後、第40週の微増を除き、減少を続けたが、第43週は微増した。過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多く、都道府県別では福井県(1.0)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少し続けた後、第35週からは増加傾向が認められ、第43週も増加した。都道府県別では北海道(2.0)、大分県(1.6)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いた後、第31週からはほぼ横ばいで推移している。都道府県別では愛媛県(5.3)、三重県(5.1)、鳥取県(5.1)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では岩手県(1.6)、福井県(1.6)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から第29週まで緩やかに増加した後、第32週までほぼ横ばいで推移した。第33週に微減したが、その後再びほぼ横ばいで推移している。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では宮崎県(8.7)、鹿児島県(3.7)が多い。風しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、都道府県別では14都道府県から報告があったが、いずれも0.1未満であった。麻しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、第1週から継続して、過去10年間の当該週と比較して最低値を示している。7都道府県から報告があったが、定点当たり報告数はいずれも0.1未満であった。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は、第40週から増加傾向が認められており、第43週も増加した。都道府県別では佐賀県(5.2)、福井県(3.6)が多い。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて37都道府県から報告がなされ、報告数は合計105例であった。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は前週に続いて微減し、都道府県別では福島県(1.3)が多い。

 

目で見る動向(県内)

 

10月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では尖圭コンジローマの定点あたり患者数が増加し、患者数の多い状態が続いています。薬剤耐性菌感染症ではどの疾患も定点あたり患者数が先月より増加しています。薬剤耐性緑膿菌感染症の報告は今月2名ありました。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

性器クラミジア感染症

99

115

110

121

129

126

109

111

2.11

2.45

2.34

2.57

2.74

2.68

2.32

2.36

性器ヘルペスウイルス感染症

13

21

18

30

31

27

19

19

0.28

0.45

0.38

0.64

0.66

0.57

0.40

0.40

尖圭コンジローマ

20

18

25

21

21

30

23

28

0.43

0.38

0.53

0.45

0.45

0.64

0.49

0.60

淋菌感染症

47

44

41

60

59

53

51

43

1.00

0.94

0.87

1.28

1.26

1.13

1.09

0.91

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

43

26

32

43

40

38

34

43

3.07

1.86

2.29

3.07

2.86

2.71

2.43

3.07

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

5

8

7

8

3

8

3

7

0.36

0.57

0.50

0.57

0.21

0.57

0.21

0.50

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

1

1

2

0.07

0.07

0.07

0.14

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます