兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年10月14日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第41週(10月4日〜10月10日)コメント

全数把握感染症(県内第41週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:細菌性赤痢 1名神戸市)(海外渡航者)

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 2名(神戸市、高砂健康福祉事務所管内各1名)

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:報告はありません。

 

定点把握感染症等の概況(県内第41週)

腸管出血性大腸菌感染症は今週2名の報告がありました。夏場は過ぎましたが秋になっても例年かなりの患者発生がみられます。衛生管理には十分注意し、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

感染性胃腸炎及び水痘の定点あたり患者数はこれから年末のピークに向かって患者数が増加してくるものと予想されます。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は、例年の同時期としては多い状態が続いていましたが、今週減少し、例年の患者数になりました。しかし、感染性胃腸炎や水痘と同様に年末にかけて患者数が増加するものと予想されます。咽頭結膜熱の定点あたり患者数は先週増加しましたが今週は減少しました。しかし、丹波地域での報告は依然として多い状態が続いています。

風しんについては、県内では患者数の少ない状態が続いていますが、妊娠初期に罹患すると先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があるので注意が必要です。厚生労働省ホームページをご覧ください。「風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言」も出されています。

 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.html

 

感染症法施行規則の一部改正について

1獣医師の届出事項の追加、2感染症の発生の状況、動向及び原因の調査に関すること、3動物の輸入届出制度について改正がありました。詳しくは国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)をご覧ください。

http://idsc.nih.go.jp/index-j.html

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第41週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

3.06

3.02

0.04

6位

手足口病

0.34

0.41

-0.07

2位

突発性発疹

0.87

0.88

-0.01

7位

水痘

0.31

0.33

-0.02

3位

流行性耳下腺炎

0.71

0.88

-0.17

8位

咽頭結膜熱

0.23

0.32

-0.09

4位

流行性角結膜炎

0.46

0.49

-0.03

9位

ヘルパンギーナ

0.12

0.12

0.00

5位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.38

0.58

-0.20

10位

伝染性紅斑

0.06

0.08

-0.02

 

 

定点把握感染症等全国の概況 (第39週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められ、第25週には過去10年間の全ての週と比較して最高値となった。その後も第29週まで最高値を更新し続けたが、第30週からは減少している。都道府県別では福井県(1.4)、宮崎県(0.7)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少し続けた後、第35週からは緩やかに増加していたが、第39週は減少した。都道府県別では大分県(1.4)、富山県(1.3)、鳥取県(1.3)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いた後、第34週からわずかに増加していたが、第39週は減少した。都道府県別では福井県(7.2)、鳥取県(5.6)、大分県(4.8)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から第29週まで緩やかに増加し、その後第32週までほぼ横ばいで推移した。第33週から減少した後、第35週からは再びわずかに増加していたが、第39週は減少した。都道府県別では宮崎県(9.2)、高知県(3.4)、鹿児島県(3.4)が多い。風しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、都道府県別では18都道府県から報告があったが、いずれも0.1未満であった。麻しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、第1週から継続して、過去10年間の当該週と比較して最低値を示している。4都道府県から報告があったが、定点当たり報告数はいずれも0.1未満であった。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて35都道府県から報告がなされ、報告数は合計46例であった。

 

目で見る動向(県内)


 

9月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。今月はほぼ全ての疾病で患者数が減少しました。薬剤耐性菌感染症では、薬剤耐性緑膿菌は先月に引き続き1名の報告がありました。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数は微増を続けていましたが今月は減少しました。尖圭コンジローマの定点あたり患者数は今月は減少しましたが、依然として患者数の多い状態が続いています。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

性器クラミジア感染症

97

99

115

110

121

129

126

103

2.06

2.11

2.45

2.34

2.57

2.74

2.68

2.19

性器ヘルペスウイルス感染症

26

13

21

18

30

31

27

19

0.55

0.28

0.45

0.38

0.64

0.66

0.57

0.40

尖圭コンジローマ

14

20

18

25

21

21

30

23

0.30

0.43

0.38

0.53

0.45

0.45

0.64

0.49

淋菌感染症

41

47

44

41

60

59

53

50

0.87

1.00

0.94

0.87

1.28

1.26

1.13

1.06

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

47

43

26

32

43

40

38

27

3.36

3.07

1.86

2.29

3.07

2.86

2.71

1.93

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

8

5

8

7

8

3

8

1

0.57

0.36

0.57

0.50

0.57

0.21

0.57

0.07

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

1

1

0.07

0.07

0.07

 

 

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます