兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年9月24日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第38週(9月13日〜9月19日)コメント

全数把握感染症(県内第38週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:細菌性赤痢(神戸市)(海外渡航者)

      パラチフス 1名(加西健康福祉事務所管内)(海外渡航者)

3類感染症腸管出血性大腸菌感染症 3名

      O157 VT1+VT2+ 3名(神戸市 1名、西宮市 2名)

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:ジアルジア症 1名(西宮市)

 

定点把握感染症等の概況(県内第38週)

腸管出血性大腸菌感染症の患者報告は3名となっています。夏場のピークは過ぎたと思われますが衛生管理には十分注意し、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

感染性胃腸炎の定点あたり患者数が徐々に増加してきています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は例年の同時期としては多い状態が続いていますが、今週はさらに増加しました。但馬地域の患者数が多くなっています。

風しんは、妊娠初期に罹患すると先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があるので予防が大切です。厚生労働省ホームページをご覧ください。「風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言」も出されています。 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.html

気温が上昇する夏場には、蚊やハエの発生及び腸管出血性大腸菌等の感染症集団発生が危惧されるとともに、日本脳炎ウエストナイル熱などの発生が心配されていることから、兵庫県では「感染症に注意!」というリーフレットを作成し注意を呼びかけています。

     http://web.pref.hyogo.jp/sippei/index.htm

また、厚生労働省ホームページ  http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/10/tp1023-1.html からウエストナイル熱についての情報が得られます。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第38週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

2.90

2.96

0.06

6位

手足口病

0.63

0.63

±0

2位

突発性発疹

0.85

0.94

0.09

7位

水痘

0.34

0.54

0.20

3位

流行性耳下腺炎

0.73

0.79

0.06

8位

ヘルパンギーナ

0.29

0.32

0.03

4位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.69

0.56

0.13

9位

マイコプラズマ肺炎

0.25

0.25

5位

流行性角結膜炎

0.66

0.71

0.05

10位

伝染性紅斑

0.20

0.20

±0

 

 

定点把握感染症等全国の概況 (第36週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められ、第25週には過去10年間の全ての週と比較して最高値となった。その後も第29週まで最高値を更新し続けたが、第30週からは減少している。しかし、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多く、都道府県別では福井県(2.1)、長野県(1.0)、熊本県(0.9)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少し続けていたが、第35週からはわずかに増加している。過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では大分県(1.7)、鳥取県(1.3)、富山県(1.2)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いていたが、第34週からわずかに増加している。過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では福井県(6.6)、宮崎県(4.7)、大分県(4.6)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から第29週まで緩やかに増加し、その後第32週までほぼ横ばいで推移した。第33週から減少したが、第35週からは再びわずかに増加している。都道府県別では宮崎県(4.6)、大分県(4.5)が多い。風しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、都道府県別では14都道府県から報告があったが、いずれも0.1未満であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は、第26週を除き、第20週から第29週まで増加し続けたが、第30週からは減少している。都道府県別では青森県(2.3)、秋田県(1.9)が多い。麻しんの定点当たり報告数は前週とほとんど同値で、第1週から継続して、過去10年間の当該週と比較して最低値を示している。11都道府県から報告があったが、定点当たり報告数はいずれも0.1未満であった。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて34都道府県から報告がなされ、報告数は合計45例であった。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少し、都道府県別では秋田県(0.9)、山口県(0.8)、新潟県(0.6)が多い。

 

目で見る動向(県内)

8月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数は微増を続け、多めの状態で推移しています。尖圭コンジローマの定点あたり患者数が過去5年でみると最高となっています。薬剤耐性菌感染症ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の定点あたり患者数は例年なみ、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症の定点あたり患者数は例年より少なめの状態で推移しています。薬剤耐性緑膿菌は1名報告がありました。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

性器クラミジア感染症

107

97

99

115

110

121

129

126

2.28

2.06

2.11

2.45

2.34

2.57

2.74

2.68

性器ヘルペスウイルス感染症

31

26

13

21

18

30

31

27

0.66

0.55

0.28

0.45

0.38

0.64

0.66

0.57

尖圭コンジローマ

14

14

20

18

25

21

21

30

0.30

0.30

0.43

0.38

0.53

0.45

0.45

0.64

淋菌感染症

47

41

47

44

41

60

59

53

1.00

0.87

1.00

0.94

0.87

1.28

1.26

1.13

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

39

47

43

26

32

43

40

38

2.79

3.36

3.07

1.86

2.29

3.07

2.86

2.71

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

5

8

5

8

7

8

3

8

0.36

0.57

0.36

0.57

0.50

0.57

0.21

0.57

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

1

0.07

0.07

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます