兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年9月9日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第36週(8月30日〜9月5日)コメント

全数把握感染症(県内第36週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:細菌性赤痢 1名(宝塚健康福祉事務所管内)(海外渡航者)

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 13名

      O157  VT1+VT2+ 7名(龍野健康福祉事務所管内 1名、神戸市 6名)

      O157 VT2+ 2名(三木健康福祉事務所管内 1名、神戸市 1名)

          O26 VT1+ 3名(姫路市)

      O157 VT+ 1名(神戸市)

4類感染症:レジオネラ症 1名(神戸市)

5類感染症:報告はありません。

〈お詫び〉第35週の記事中、3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症において O157VT2+ 龍野健康福祉事務所管内 2名  とあるのは、社健康福祉事務所管内 2名の誤りです。当方の記載ミスによるものでした。

 

定点把握感染症等の概況(県内第36週)

腸管出血性大腸菌感染症の患者報告は13名となっています。神戸市8名の内5名は、患者及びその濃厚接触者です(有症3名、無症状2名)。まだしばらくは暑い季節が続くと思います。体調管理には十分注意をしてください。一般的には、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

咽頭結膜熱の定点あたり患者数は減少し、例年の定点あたり患者数となっています。厚生労働省ホームページをご覧ください。  http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0614-1.html

手足口病の定点あたり患者数も減少してきました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は、例年の同時期としては多い状態が続いています。無菌性髄膜炎は夏場に増加することが多い疾患ですが、今年は定点あたり患者数は少なく推移しています。

風しんは、妊娠初期に罹患すると先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があるので予防が大切です。厚生労働省ホームページをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.html

気温が上昇する夏場には、蚊やハエの発生及び腸管出血性大腸菌等の感染症集団発生が危惧されるとともに、日本脳炎ウエストナイル熱などの発生が心配されていることから、兵庫県では「感染症に注意!」というリーフレットを作成し注意を呼びかけています。

     http://web.pref.hyogo.jp/sippei/index.htm

また、厚生労働省ホームページ  http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/10/tp1023-1.html からウエストナイル熱についての情報が得られます。

最近、海外渡航者によるコレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスといった報告が目立ちます。日本には通常存在しない感染症が流行していることもあります。海外に出かける予定の方は厚生労働省検疫所ホームページ「海外渡航者のための感染症情報」http://www.forth.go.jp/など参考にしてください。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第36週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

2.49

2.00

0.49

6位

流行性角結膜炎

0.57

0.66

0.09

2位

流行性耳下腺炎

0.89

0.76

0.13

7位

水痘

0.38

0.43

0.05

3位

手足口病

0.84

0.87

0.03

8位

ヘルパンギーナ

0.38

0.46

0.08

4位

突発性発疹

0.84

0.88

0.04

9位

伝染性紅斑

0.19

0.24

0.05

5位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.59

0.46

0.13

10位

咽頭結膜熱

0.17

0.16

0.01

 

 

定点把握感染症等全国の概況 (第34週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められ、第25週には過去10年間の全ての週と比較して最高値となった。その後も第29週まで最高値を更新し続けたが、第30週からは減少している。しかし相変わらず、過去10年間の当該週と比較して最高値を示しており、都道府県別では福井県(1.5)、高知県(1.5)、宮崎県(1.4)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少し続けているが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多く、都道府県別では鳥取県(1.3)、宮崎県(1.1)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いているが、第34週は増加した。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では福井県(6.7)、大分県(5.8)、宮崎県(5.4)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から第29週まで緩やかに増加した後、第30週からほぼ横ばいで推移したが、第33週から減少している。都道府県別では大分県(3.0)、北海道(2.5)、長野県(2.5)、福岡県(2.5)が多い。風しんの定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では18都道府県から報告があったが、いずれも0.1以下であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は、第26週を除き、第20週から第29週まで増加し続けたが、第30 週からは減少している。都道府県別では秋田県(3.0)、青森県(2.5)、福島県(2.2)が多い。麻しんの定点当たり報告数は前週と同値で、第1週から継続して、過去10年間の当該週と比較して最低値を示している。15都道府県から報告があったが、いずれも0.1以下であった。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて32都道府県から報告がなされ、報告数は合計28例であった。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第20週から増加傾向が認められた後、第25週をピークに減少傾向が認められていたが、第33週から再び増加している。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では山口県(1.0)、山形県(0.9)が多い。

 

目で見る動向(県内)

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます