兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年8月12日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第32週(8月2日〜8月8日)コメント

全数把握感染症(県内第32週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:細菌性赤痢 2名(尼崎市、神戸市 各1名)(いずれも海外渡航者) 

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 9名

      O157 VT1+VT2+  3名(尼崎市)

       O157  VT2+  1名(神戸市)

           O26 VT1+ 5名(社健康福祉事務所管内 1名、龍野健康福祉事務所管内 4名)

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:梅毒 1名(西宮市)

 

定点把握感染症等の概況(県内第32週)

腸管出血性大腸菌感染症の患者は9名報告されています。尼崎市の3名は同一家族です。龍野健康福祉事務所管内のO26患者4名(全員無症状)は先週お伝えした保育園の患者家族及び接触者です。集団生活においては、給食・プール・トイレ・手洗い・おしめ交換等に関する十分な衛生管理が必要です。まだまだ暑い季節が続きます。お子さんの体調管理には十分な注意を払い、良くないときには早めに休ませることも大切です。一般的には、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

咽頭結膜熱の定点あたり患者数は減少していますが、依然やや多い状態です。うがい・手洗い・水泳前後のシャワーなどが大切です。厚生労働省ホームページをご覧ください。

  http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0614-1.html

手足口病、ヘルパンギーナの定点あたり患者数は減少してきました。手足口病は北播磨地域で患者が多い状態が続いています。無菌性髄膜炎は、夏場に増加することが多い疾患です。今年の報告は少なく推移しています。

風しんの報告は今週もありませんが、妊娠初期に罹患すると先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があるので予防が大切です。厚生労働省ホームページをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.html

気温が上昇する夏場を迎え、蚊やハエの発生及び腸管出血性大腸菌等の感染症集団発生が危惧されるとともに、日本脳炎ウエストナイル熱などの発生が心配されていることから、兵庫県では「感染症に注意!」というリーフレットを作成し注意を呼びかけています。

     http://web.pref.hyogo.jp/sippei/index.htm

また、厚生労働省ホームページ  http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/10/tp1023-1.html からウエストナイル熱についての情報が得られます。

最近、海外渡航者によるコレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスといった報告が目立ちます。日本には通常存在しない感染症が流行していることもあります。海外に出かける予定の方は厚生労働省検疫所ホームページ「海外渡航者のための感染症情報」http://www.forth.go.jp/など参考にしてください。

 

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第32週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

2.50

3.02

0.52

6位

突発性発疹

0.77

0.80

0.03

2位

手足口病

2.40

2.93

0.53

7位

咽頭結膜熱

0.59

0.87

0.28

3位

ヘルパンギーナ

1.32

2.25

0.93

8位

水痘

0.52

0.91

0.39

4位

流行性角結膜炎

1.23

0.91

0.32

9位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.43

0.62

0.19

5位

流行性耳下腺炎

1.13

1.15

0.02

10位

伝染性紅斑

0.23

0.19

0.04

 

 

定点把握感染症等全国の概況 (第30週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められ、第25週には過去10年間の全ての週と比較して最高値となった。その後、第29週まで最高値を更新し続けたが、第30週は減少した。都道府県別では北海道(2.2)、福井県(2.0)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少し続けており、第30週も減少した。都道府県別では山形県(1.8)、鳥取県(1.7)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いており、第30週も微減した。都道府県別では福井県(6.7)、大分県(5.8)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から第29週まで緩やかに増加し続けたが、第30週は微減した。都道府県別では兵庫県(3.8)、福岡県(3.3)、大分県(3.3)が多い。風しんの定点当たり報告数は微減し、都道府県別では18都府県から報告があったが、いずれも0.1以下であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は、第26週を除き、第20週から第29週まで増加し続けたが、第30週は減少した。都道府県別では山形県(7.1)、山口県(6.0)が多い。麻しんの定点当たり報告数は前週と同値で、第1週から継続して、過去10年間の当該週と比較して最低値を示している。13都道府県から報告があったが、いずれも0.1以下であった。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて31都道府県から報告がなされ、報告数は合計15例であった。無菌性髄膜炎の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では滋賀県(1.1)、島根県(0.9)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第20週から増加傾向が認められ、第25週をピークに減少傾向がみられており、第30週も微減した。しかし、第22週からは過去5年間の当該週と比較して最高値を示している。都道府県別では秋田県(1.0)、福島県(1.0)が多い。

 

目で見る動向(県内)

 

7月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数は微増を続け、多めの状態で推移しています。性器ヘルペス感染症・淋菌感染症の定点あたり患者数もやや増加傾向にあります。薬剤耐性菌感染症では定点あたり患者数が減少しています。薬剤耐性緑膿菌の報告はありません。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

12月

1月

2月

3月

4月

5月

7月

6月

性器クラミジア感染症

85

107

97

99

115

110

121

129

1.85

2.28

2.06

2.11

2.45

2.34

2.57

2.74

性器ヘルペスウイルス感染症

13

31

26

13

21

18

30

31

0.28

0.66

0.55

0.28

0.45

0.38

0.64

0.66

尖圭コンジローマ

20

14

14

20

18

25

21

21

0.43

0.30

0.30

0.43

0.38

0.53

0.45

0.45

淋菌感染症

44

47

41

47

44

41

60

59

0.96

1.00

0.87

1.00

0.94

0.87

1.28

1.26

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

45

39

47

43

26

32

43

23

3.46

2.79

3.36

3.07

1.86

2.29

3.07

1.64

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

7

5

8

5

8

7

8

1

0.54

0.36

0.57

0.36

0.57

0.50

0.57

0.07

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

0.07

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます