兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年8月5日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第31週(7月26日〜8月1日)コメント

全数把握感染症(県内第31週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。  

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 14名

      O157 VT1+VT2+ 3名(伊丹健康福祉事務所管内、西宮市、神戸市 各1名)

          O157 VT1+ 1名(加古川健康福祉事務所管内)

O157 VT2+ 4名(姫路市、西宮市、神戸市、加古川健康福祉事務所管内 各1名)

O26 VT1+ 4名(姫路市 1名、龍野健康福祉事務所管内 3名

O111 VT1+ 1名(赤穂健康福祉事務所管内)

OUT VT2+ 1名(高砂健康福祉事務所管内)

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:報告はありません。

 

定点把握感染症等の概況(県内第31週)

腸管出血性大腸菌感染症の患者は今週14名報告され、今年最高の報告数になっています。O26患者4名(有症1名、無症状3名)は同一保育園での発生です。給食・プール・トイレ・手洗い・おしめ交換等に関する衛生管理には十分注意が必要です。まだまだ暑い季節が続きます。お子さんの体調管理には十分な注意を払い、良くないときには早めに休ませることも必要です。一般的には、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

咽頭結膜熱の定点あたり患者数は、2週連続減少しましたが、依然やや多い状態です。うがい・手洗い・水泳前後のシャワーなどが大切です。厚生労働省ではホームページで注意を呼びかけています。http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0614-1.htmlをご覧下さい。手足口病、ヘルパンギーナ、伝染性紅斑の定点あたり患者数は減少してきましたが、手足口病は北播磨地域で患者が多い状態が続いています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は今週は微増しています。無菌性髄膜炎は、夏場に増加することが多い疾患です。今年の報告は少なく推移していますが、今週は2名の報告がありました。

風しんは今週も報告はありませんが、妊娠初期に罹患すると先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があるので予防が大切です。厚生労働省ホームページをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.html

気温が上昇する夏場を迎え、蚊やハエの発生及び腸管出血性大腸菌等の感染症集団発生が危惧されるとともに、日本脳炎ウエストナイル熱などの発生が心配されていることから、兵庫県では「感染症に注意!」というリーフレットを作成し注意を呼びかけています。

 http://web.pref.hyogo.jp/sippei/index.htm

最近、海外渡航者によるコレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスといった報告が目立ちます。日本には通常存在しない感染症が流行していることもあります。海外に出かける予定の方は厚生労働省検疫所ホームページ「海外渡航者のための感染症情報」http://www.forth.go.jp/など参考にしてください。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第31週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

手足口病

2.85

3.98

1.13

6位

水痘

0.88

0.81

0.07

2位

感染性胃腸炎

2.80

2.45

0.35

7位

突発性発疹

0.80

0.85

0.05

3位

ヘルパンギーナ

2.22

2.71

0.49

8位

咽頭結膜熱

0.73

0.91

0.18

4位

流行性耳下腺炎

1.12

1.10

0.02

9位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.62

0.55

0.07

5位

流行性角結膜炎

0.91

0.94

0.03

10位

伝染性紅斑

0.19

0.25

0.06

 

検査情報(県立健康環境科学研究センター)

 流行性角結膜炎患者(32才、男性)の結膜ぬぐい液からアデノウイルス37型が検出されました。県内の今シーズンの手足口病は全国の他の都道府県と比較して患者数が多くなっていますが例年と比較して特に多いというほどではありません。手足口病患者からエンテロウイルスが分離されていますが、分離数は例年より少ない傾向にあります。型別は判明次第報告します。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第29週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められているが、第26週には過去10年間の全ての週と比較して最高値を示し、その後も最高値を更新し続けている。都道府県別では埼玉県(2.4)、長野県(2.2)、滋賀県(2.2)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第23週から減少が続いている。しかし、第19週を除き、第7週から継続して過去10年間の当該週と比較して最高値を示している。都道府県別では、愛媛県(2.6)、鳥取県(2.3)、富山県(2.2)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いており、第29週も微減した。過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多く、都道府県別では福井県(8.1)、福島県(6.6)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から緩やかに増加しており、第29週も増加した。都道府県別では兵庫県(4.1)、福岡県(3.3)、佐賀県(3.2)、大分県(3.2)が多い。風しんの定点当たり報告数は微減し、都道府県別では22都府県から報告があったが、いずれも0.1以下であった。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第20週から増加が続いた後、第26週は微減したが、第27週からは再び増加が続いている。都道府県別では山形県(8.1)、山口県(7.3)が多い。麻しんの定点当たり報告数は前週と同値で、第1週から継続して、過去10年間の当該週と比較して最低値を示している。12都道府県から報告があったが、いずれも0.1以下であった。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて32都道府県から報告がなされ、報告数は合計28例であった。

無菌性髄膜炎の定点当たり報告数は微増し、都道府県別では鳥取県(0.8)、福島県(0.7)、三重県(0.6)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第20週から増加傾向が認められていたが、第25週をピークに減少傾向がみられ、第29週も微減した。

しかし、第22週からは過去5年間の当該週と比較して最高値を示している。都道府県別では岡山県(1.8)、福島県(1.1)が多い。

目で見る動向(県内)

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます