兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年7月15日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第28週(7月5日〜7月11日)コメント

全数把握感染症(県内第28週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:コレラ 1名(神戸市)(海外渡航者)  腸チフス 1名(神戸市)(海外渡航者)

3類感染症腸管出血性大腸菌感染症 5名

(加西健康福祉事務所管内 O157 VT2+ 1名、社健康福祉事務所管内 O157 VT1+VT2+ 1名、龍野健康福祉事務所管内 O26 VT1+ 1名、赤穂健康福祉事務所管内 O26 VT1+ 1名、O26 VT+ 1名)

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:報告はありません。

 

定点把握感染症等の概況(県内第28週)

腸管出血性大腸菌感染症の患者は今週5名報告されています。腸管出血性大腸菌感染症をはじめ食中毒も多い季節です。感染防止のためには、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

咽頭結膜熱の定点あたり患者数は、増減しながら増加しています。うがい・手洗い・水泳前後のシャワーなどが大切です。全国的に患者数が増加しているため、厚生労働省はホームページで注意を呼びかけています。http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/06/tp0614-1.htmlをご覧下さい。ヘルパンギーナ・手足口病の定点あたり患者数は再度増加しています。手足口病は全国の中でも多い状態です。伝染性紅斑の定点あたり患者数は増減がありますが、依然として多い状態です。風しんは今週定点からの報告はありませんが、妊娠初期に罹患すると、先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれる可能性があるので予防が大切です。厚生労働省ホームページhttp://www.mhlw.go.jp/topics/2004/04/tp0428-1.htmlをご覧ください。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第28週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

ヘルパンギーナ

4.16

3.37

0.79

6位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.92

0.96

0.04

2位

手足口病

3.63

3.28

0.35

7位

咽頭結膜熱

0.85

0.66

0.19

3位

感染性胃腸炎

3.16

3.86

0.70

8位

突発性発疹

0.85

0.80

0.05

4位

水痘

1.35

1.38

0.03

9位

流行性角結膜炎

0.69

0.51

0.18

5位

流行性耳下腺炎

1.13

0.94

0.19

10位

伝染性紅斑

0.53

0.30

0.23

 

検査情報 (県立健康環境科学研究センター)

今週新たに滲出性扁桃炎患者8名の咽頭ぬぐい液からアデノウイルス1型 2名、2型 6名が、咽頭結膜熱患者2名の咽頭ぬぐい液からアデノウイルス2型が、それぞれ検出されました。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第26週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第11週から増加傾向が認められているが、第25週は過去10年間の全ての週と比較して最高値を示した。第26週もさらに増加して、最高値を更新した。都道府県別では富山県(2.0)、新潟県(1.9)、福井県(1.8)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は、第11週に過去10年間で最高値を示した後、減少した。その後、第16週から再び増加傾向が認められたが、第23週から減少している。しかし、第19週を除き、第7週から継続して過去10年間の当該週と比較して最高値を示している。都道府県別では愛媛県(4.5)、山形県(3.2)、宮崎県(3.1)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第12週から減少傾向が続いており、第26週も減少した。しかし、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多く、都道府県別では福井県(9.3)、鳥取県(8.1)が多い。手足口病の定点当たり報告数は第20週から緩やかに増加しており、第26週も微増した。都道府県別では兵庫県(2.3)、福岡県(2.1)が多い。風しんの定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では福島県(0.2)、栃木県(0.2)、群馬県(0.2)、大分県(0.2)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は第20週から増加が続いたが、第26週は微減した。都道府県別では福井県(6.4)、愛媛県(5.4)、三重県(5.1)が多い。RSウイルス感染症はゼロ報告を含めて27都道府県から報告がなされ、報告数は合計20例であった。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は第20週から増加傾向が認められており、第22週からは過去5年間の当該週と比較して最高値を示している。都道府県別では山形県(1.2)、福島県(1.1)が多い。

 

目で見る動向(県内)

 

6月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数は多めの状態で推移しています。性器ヘルペス感染症・淋菌感染症の定点あたり患者数も増加しています。薬剤耐性菌感染症ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の定点あたり患者数が増加しています。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

性器クラミジア感染症

112

85

107

97

99

115

110

119

2.49

1.85

2.28

2.06

2.11

2.45

2.34

2.53

性器ヘルペスウイルス感染症

26

13

31

26

13

21

18

30

0.58

0.28

0.66

0.55

0.28

0.45

0.38

0.64

尖圭コンジローマ

15

20

14

14

20

18

25

21

0.33

0.43

0.30

0.30

0.43

0.38

0.53

0.45

淋菌感染症

58

44

47

41

47

44

41

57

1.29

0.96

1.00

0.87

1.00

0.94

0.87

1.21

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

30

45

39

47

43

26

32

43

2.5

3.46

2.79

3.36

3.07

1.86

2.29

3.07

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

9

7

5

8

5

8

7

8

0.75

0.54

0.36

0.57

0.36

0.57

0.50

0.57

薬剤耐性緑膿菌感染症

1

0.07

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます