兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年6月10日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第23週(5月31日〜6月6日)コメント

全数把握感染症(県内第23週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 4名

        (尼崎市 O157 VT2+ 1名、赤穂健康福祉事務所管内 O157 VT2+、

神戸市 O157 VT1+VT2+ 1名、O157 VT2+ 1名)

4類感染症:レジオネラ症 1名(神戸市)

5類感染症梅毒 1名(明石健康福祉事務所管内)

 

定点把握感染症等の概況(県内第23週)

腸管出血性大腸菌感染症の患者が今週は4名報告されています。

梅雨入りを迎え、腸管出血性大腸菌感染症をはじめ食中毒もますます多くなってきます。感染防止のためには、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。また、調理前や調理後の食品は室温に長時間放置せず、調理したものはなるべく早く食べるようにしましょう。

咽頭結膜熱の定点あたり患者数が増加しています。患者数の多かった昨年と比べても増加の早さが目立ちます。この感染症は汚染されたプールの水を介して感染することもあるので、うがい・手洗い・水泳前後のシャワーなどが大切です。代表的な夏型の感染症であるヘルパンギーナの定点あたり患者数は微増、手足口病の定点あたり患者数は減少しましたが、7月にかけてさらに増加すると思われます。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数は今週減少しましたが、例年より多い状態が続いています。流行性角結膜炎の患者数も減少しましたが、尼崎市では多い状態が続いています。伝染性紅斑の定点あたり患者数は、増減がありますが多めの状態です。

 

定点あたり患者数の上位10位の疾病(県内第23週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

5.83

6.95

1.12

6位

流行性耳下腺炎

1.18

0.98

0.20

2位

ヘルパンギーナ

2.30

2.12

0.18

7位

流行性角結膜炎

0.86

1.14

0.28

3位

水痘

1.91

2.34

0.43

8位

咽頭結膜熱

0.73

0.53

0.20

4位

手足口病

1.48

1.90

0.42

9位

突発性発疹

0.71

0.67

0.04

5位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

1.30

1.62

0.32

10位

伝染性紅斑

0.53

0.70

0.17

 

検査情報(兵庫県立健康環境科学研究センター)

 滲出性扁桃炎患者9名、咽頭結膜熱患者1名からアデノウイルス3型が検出されました。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第21週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多く、都道府県別では宮崎県(1.6)、石川県(1.5)、福井県(1.1)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では山形県(5.6)、新潟県(4.0)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では鳥取県(10.6)、宮崎県(10.5)、大分県(10.2)が多い。手足口病の定点当たり報告数は微増し、都道府県別では兵庫県(1.6)、沖縄県(1.5)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では新潟県(1.6)が多い。風しんの定点当たり報告数は微減したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では栃木県(0.6)、群馬県(0.4)、大分県(0.3)、鹿児島県(0.3)、沖縄県(0.3)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加し、都道府県別では愛媛県(3.3)、石川県(2.7)が多い。麻しんの定点当たり報告数は前週と同値であるが、都道府県別では徳島県(0.3)、栃木県(0.2)が多い。RSウイルス感染症の報告数は、28都道府県から合計15例であった。流行性角結膜炎の定点当たり報告数は第3週からほぼ横ばいで推移しているが、都道府県別では沖縄県(11.1)が非常に多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では新潟県(1.2)、山形県(0.9)、青森県(0.8)が多い。

 

目で見る動向(県内)

 

5月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数は多めの状態で推移しています。尖圭コンジローマの定点あたり患者数が増加しています。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

性器クラミジア感染症

100

112

85

107

97

99

115

109

2.17

2.49

1.85

2.28

2.06

2.11

2.45

2.32

性器ヘルペスウイルス感染症

24

26

13

31

26

13

21

18

0.52

0.58

0.28

0.66

0.55

0.28

0.45

0.38

尖圭コンジローマ

8

15

20

14

14

20

18

25

0.17

0.33

0.43

0.30

0.30

0.43

0.38

0.53

淋菌感染症

67

58

44

47

41

47

44

40

1.46

1.29

0.96

1.00

0.87

1.00

0.94

0.85

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

30

30

45

39

47

43

26

27

2.31

2.5

3.46

2.79

3.36

3.07

1.86

1.93

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

1

9

7

5

8

5

8

5

0.08

0.75

0.54

0.36

0.57

0.36

0.57

0.36

薬剤耐性緑膿菌感染症

2

1

0.15

0.07

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます