兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年5月13日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第19週(5月3日〜5月9日)コメント

全数把握感染症(県内第19週)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:細菌性赤痢 1名(尼崎市 海外渡航者)

3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症 4名

(姫路市 O26 VT1+ 2名、加古川健康福祉事務所管内 O26 VT+ 2名)

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:報告はありません。      

 

定点把握感染症等の概況(県内第19週)

腸管出血性大腸菌感染症の患者が4名報告されています。この4名は先週報告のあったO26患者の接触者あるいはその家族です。

今後暑い日が多くなり、腸管出血性大腸菌感染症をはじめ食中毒も多くなってきます。感染防止のためには、食事前やトイレ後の手洗い、飲食は加熱調理したものを食べ、加熱前の肉などと接触させないなどの注意が必要です。

ゴールデンウイークによるものか、定点把握の感染症は全体的に減少しています。

流行性角結膜炎の患者数は尼崎市で多い状態が続いています。接触感染するので、眼分泌液をティッシュペーパーなどで除去し、直接手で触れない、手洗いを励行する、洗面器・タオルを共有しないなどの注意が必要です。

先週まで定点あたり患者数が多い状態にあったA群溶血性レンサ球菌咽頭炎伝染性紅斑咽頭結膜熱は、来週以降の動向に注意が必要です。今後夏型感染症であるヘルパンギーナ、手足口病も増加してくると考えられます。麻しんは東播磨地域から報告が続いています。

 

定点当り患者数の上位10位の疾病(県内第19週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1位

感染性胃腸炎

4.69

7.08

2.39

6位

手足口病

0.55

0.70

0.15

2位

水痘

1.77

1.87

0.10

7位

突発性発疹

0.43

0.60

0.17

3位

流行性角結膜炎

1.31

1.43

0.12

8位

咽頭結膜熱

0.30

0.36

0.06

4位

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.86

1.30

0.44

9位

伝染性紅斑

0.27

0.42

0.15

5位

流行性耳下腺炎

0.73

1.18

0.45

10位

ヘルパンギーナ

0.19

0.21

0.02

 

定点把握感染症等全国の概況 (第16週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)(先週と同じ)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多く、都道府県別では宮崎県(1.4)、富山県(1.1)、徳島県(1.0)、鳥取県(1.0)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は、第11週に過去10年間で最高の値となった後減少し続けていたが、第16週は増加した。過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では新潟県(4.8)、山形県(3.7)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では福井県(24.5)、宮崎県(16.3)、石川県(15.7)、富山県(15.4)、鳥取県(15.4)が多い。手足口病の定点当たり報告数は微増し、都道府県別では、沖縄県(0.6)、石川県(0.3)、兵庫県(0.3)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は第9週から緩やかに増加しており、第16週も増加した。都道府県別では新潟県(1.2)、千葉県(1.1)が多い。風しんの定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では群馬県(0.5)、大分県(0.5)、鹿児島県(0.4)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は微増し、都道府県別では和歌山県(0.6)、熊本県(0.6)、愛媛県(0.4)が多い。RSウイルス感染症の報告数は、32都道府県から合計50例であった。

 

 

目で見る動向(県内)

 

 

4月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症の定点あたり患者数が過去の同時期の中ではやや多めの状態で推移しています。性器ヘルペスウイルス感染症の定点あたり患者数は先月減少していましたが、今月増加して例年並みとなっています。尖圭コンジローマの定点あたり患者数も多い状態です。薬剤耐性緑膿菌感染症の報告が1件ありました。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

性器クラミジア感染症

124

100

112

85

107

97

99

109

2.76

2.17

2.49

1.85

2.28

2.06

2.11

2.32

性器ヘルペスウイルス感染症

25

24

26

13

31

26

13

21

0.56

0.52

0.58

0.28

0.66

0.55

0.28

0.45

尖圭コンジローマ

18

8

15

20

14

14

20

16

0.40

0.17

0.33

0.43

0.30

0.30

0.43

0.34

淋菌感染症

71

67

58

44

47

41

47

39

1.58

1.46

1.29

0.96

1.00

0.87

1.00

0.83

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

41

30

30

45

39

47

43

26

2.93

2.31

2.5

3.46

2.79

3.36

3.07

1.86

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

2

1

9

7

5

8

5

8

0.14

0.08

0.75

0.54

0.36

0.57

0.36

0.57

薬剤耐性緑膿菌感染症

2

1

0.15

0.07

 

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます