兵庫県感染症発生動向調査週報(平成16年)

平成16年2月12日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

 

平成16年第6週(2月2日〜2月8日)コメント

全数把握感染症(県内)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症:報告はありません。

4類感染症:報告はありません。

5類感染症:梅毒 1名(明石健康福祉事務所管内)

 

インフルエンザ情報 昨シーズンの患者数を超える。10〜19歳及び80歳以上の年齢層が例年より多い。

 県内の定点あたり患者数は37.3人となり、先週から横ばいとなっています。患者の年齢割合は、10〜19歳、特に15〜19歳の年齢階層が過去4シーズンと比較して明らかに高くなっていますが、今週は80歳以上の割合も高くなっています。これらのうち、10〜19歳の年齢階層の割合が多い傾向は全国の患者数においてもみられています。また、県内の学級閉鎖等発生報告は、すべての地域から計173校(園)の報告がありました。患者数は5,515名、欠席者数は3,345名と減少していますが、全県的に流行していますので注意が必要です。うがい、手洗いの励行、早めの受診、咳が出るときのマナー(無用な外出を控える・マスクを着けるなど)が重要です。全国的には、島根県、香川県、高知県が注意報、他のすべての都道府県は警報基準値を超えています(第5週)。全国のウイルスの分離あるいは検出については、A/ソ連型が3例、A/香港型が967例、B型が31例報告されています(2月6日現在)。兵庫県においてはA/香港型166例(うち142例は神戸市)が、またB型 3例(うち 2例は神戸市)が検出されました(2月12日現在、当情報センター把握数)。

 

定点把握感染症等の概況(県内)

感染性胃腸炎の定点あたり患者数は徐々に減少してきました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり患者数がやや多い状態で続いています。

 

定点当り患者数の上位10位の疾病(県内第6週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1

インフルエンザ

37.34

37.44

0.10

6

突発性発疹

0.63

0.79

0.16

2

感染性胃腸炎

10.02

11.83

1.81

7位

流行性角結膜炎

0.51

0.77

0.26

3

水痘

2.44

2.26

0.18

8

咽頭結膜熱

0.23

0.20

0.03

4

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

1.29

1.16

0.13

9

伝染性紅斑

0.20

0.30

0.10

5

流行性耳下腺炎

0.71

0.79

0.08

10位

手足口病

0.14

0.20

0.06

 

検査情報(兵庫県立健康環境科学研究センター)

 姫路市在住の咽頭結膜熱患者1名(4歳)及び、滲出性扁桃炎患者2名(1歳5ヵ月、7歳)からアデノウイルス3型が新たに検出されました。

 

定点把握感染症等全国の概況 (第3週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

インフルエンザの定点当たり報告数は増加し、都道府県別では宮城県(50.9)、長野県(44.5)、埼玉県(40.5)が多い。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2003年第43週から増加傾向が認められていたが、2004年第2週から減少し、第4週も減少した。しかし、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較して未だかなり多く、都道府県別では徳島県(1.1)、和歌山県(0.7)、新潟県(0.6)、島根県(0.6)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2003年第51週をピークとして減少していたが、第3週は増加し、第4週も増加した。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では富山県(4.5)、鳥取県(4.4)、山形県(4.2)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2003年第43週から増加し続けた後、第52週からは減少していたが、第4週は増加した。都道府県別では山口県(19.9)、愛媛県(18.5)が多い。水痘の定点当たり報告数は2003年第41週から増加し、第2週に過去10年間で最高の値となった後、第3週は減少したが、第4週は再び増加した。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では宮崎県(5.8)、新潟県(4.7)、熊本県(4.3)が多い。RSウイルス感染症の報告数は、37都道府県から合計277例であった。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少して0.22であるが、過去4年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では山形県(1.1)が多い。

 

 

1月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症では性器クラミジア感染症性器ヘルペスウイルス感染症の患者数が増加しています。淋菌感染症は、患者数がやや多めの状態で推移していましたが、先月から減少しています。薬剤耐性菌感染症のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症は今月患者数が減少しました。

 

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

 

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

性器クラミジア感染症

135

136

109

124

100

112

85

105

3.00

3.02

2.42

2.76

2.17

2.49

1.85

2.23

性器ヘルペスウイルス感染症

29

24

22

25

24

26

13

31

0.64

0.53

0.49

0.56

0.52

0.58

0.28

0.66

尖圭コンジローマ

16

15

13

18

8

15

20

14

0.36

0.33

0.29

0.40

0.17

0.33

0.43

0.30

淋菌感染症

66

71

67

71

67

58

44

45

1.47

1.58

1.49

1.58

1.46

1.29

0.96

0.96

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

35

33

33

41

30

30

45

19

2.92

2.36

2.36

2.93

2.31

2.5

3.46

1.36

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

5

14

6

2

1

9

7

2

0.42

1.00

0.43

0.14

0.08

0.75

0.54

0.14

薬剤耐性緑膿菌感染症

4

1

0

2

0.33

0.07

0.15

 

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます