兵庫県感染症発生動向調査週報(平成15年)

平成15年5月15日 兵庫県感染症情報センタ−発行

この週報は感染症発生動向調査の患者情報について、速報性を重視して発行するものです。そのため、患者数は確定した値ではありません。場合によっては集計されない保健所(健康福祉事務所)があることや、国からの還元情報の値と異なることがありますがご了承ください。

19週(5月5日〜5月11日)コメント

全数把握感染症(県内)

1類感染症:報告はありません。

2類感染症:報告はありません。

3類感染症:報告はありません。

4類感染症:急性ウィルス性肝炎 2名(加西健康福祉事務所管内豊岡健康福祉事務所管内 1名)

   

東南アジア等で流行している「重症急性呼吸器症候群(SARS)」について

 WHOの集計では5月14日現在、32カ国・地域で患者数(可能性例)7,628人、うち死亡者数587人となっていて、依然として患者数が増加しています。中国本土における患者数増加はやや鈍化してきましたが、北京の患者の半数程度は誰から感染したか分からない状態ということなので、制圧に向けて事態が順調に進んでいると判断するのは時期尚早のようです。一方、台湾においては患者数の増加傾向が強くなってきています。なお、現在我が国からは患者(可能性例)の報告はありません。次のホームページから情報が得られます。

兵庫県のホームページ http://web.pref.hyogo.jp/sippei/sars.html

国の感染症情報センターhttp://idsc.nih.go.jp/index-j.html、厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/

 

定点把握感染症等の概況(県内)

今週腸管出血性大腸菌感染症の報告はありませんでしたが、これから患者の多くなる季節です。感染防止のためには、トイレの後や食事の前の手洗い、飲食はできるだけ加熱調理したものを摂取するなどの注意が必要です。

ヘルパンギーナ手足口病はそろそろ患者数の増加をむかえる時期です。別名プール熱と呼ばれる咽頭結膜熱もプールによく入る夏場に患者が増加します。無菌性髄膜炎も夏場が流行期です。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎流行性角結膜炎についてもこれから患者数が増加すると考えられます。

 

定点当り患者数の上位10位の疾病(県内第19週)

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

 

疾病名

定点当たり患者数

先週

先週からの増減

1

感染性胃腸炎

5.59

5.77

0.18

6

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

0.47

0.55

0.08

2

水痘

1.74

1.81

0.07

7

マイコプラズマ肺炎

0.25

0.25

3

流行性耳下腺炎

1.41

1.52

0.11

8

咽頭結膜熱

0.23

0.14

0.09

4

突発性発疹

0.81

0.61

0.20

9

伝染性紅斑

0.19

0.16

0.03

5

流行性角結膜炎

0.51

0.51

±0.00

10

ヘルパンギーナ

0.18

0.16

0.02

 

定点把握感染症等全国の概況 (第17週 国立感染症研究所の週報IDWRから部分的に引用)

咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3週連続で増加し、過去5年間の同時期の平均と比較してかなり多く、過去10年間との比較でも最高の値となっている。都道府県別では滋賀県(1.3)、福井県(1.0)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期の平均と比較してやや多く、過去10年間との比較では2000年に次ぐ高値となっている。都道府県別では富山県(5.5)、山形県(3.0)、石川県(2.7)、福井県(2.7)、宮崎県(2.7)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数はわずかに減少し(0.17)、依然として過去4年間の同時期の平均の約2倍あり、都道府県別では新潟県(0.9)、青森県(0.8)、宮城県(0.6)が多い。インフルエンザの定点当たり報告数はさらに減少した。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は微減し、都道府県別では引き続き鳥取県(16.8)、福井県(11.2)、宮崎県(10.8)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では沖縄県(6.7)、宮崎県(4.0)が多い。手足口病、ヘルパンギーナの定点当たり報告数はいずれも微増した。都道府県別では、手足口病は宮崎県(2.3)、山口県(1.1)が、ヘルパンギーナは鳥取県(1.0)、熊本県(0.6)、山口県(0.5)が多い。風疹の定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では依然として岡山県(1.2)が非常に多く、全国の報告数の半数以上を占めている。麻疹(成人麻疹を除く)も前週と同値で、都道府県別では福島県(1.2)、鹿児島県(0.6)、栃木県(0.5)、宮崎県(0.5)が多い。流行性角結膜炎は微増し、都道府県別では沖縄県(3.4)、高知県(3.3)が多い。成人麻疹は前週と同値の0.05で、都道府県別では東京都、福島県、神奈川県(いずれも0.3)が多い。

 

目で見る動向(県内)

4月コメント

 月報は性感染症と薬剤耐性菌感染症が対象疾患となっています。性感染症いずれの疾病も数ヶ月単位の短期的にみて減少傾向にあります。薬剤耐性菌感染症の患者数もいずれも減少しています。

月報対象疾患の動向(兵庫県、上段:患者数、下段:定点あたり患者数)

 

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

性器クラミジア感染症

104

112

121

90

121

92

116

68

2.26

2.43

2.63

1.96

2.63

2.00

2.52

1.51

性器ヘルペスウイルス感染症

20

25

32

25

21

20

17

18

0.43

0.54

0.70

0.54

0.46

0.43

0.37

0.40

尖形コンジローム

16

11

20

21

22

12

15

9

0.35

0.24

0.43

0.46

0.48

0.26

0.33

0.20

淋菌感染症

48

63

56

33

52

55

42

38

1.04

1.37

1.22

0.72

1.13

1.20

0.91

0.84

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

41

46

40

31

46

40

23

28

2.93

3.29

2.86

2.21

3.54

3.08

1.77

2.15

ペニシリン耐性肺炎球菌感染症

9

21

23

19

16

14

2

6

0.64

1.50

1.64

1.36

1.23

1.08

0.15

0.46

薬剤耐性緑膿菌感染症

2

2

1

1

1

2

1

0.14

0.14

0.07

0.07

0.08

0.15

0.08

また、http://idsc.nih.go.jp/index-j.htmlから国立感染症研究所感染症情報センターの週報(IDWR)がダウンロードできます